一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
「あ。大智、今日はそっち? じゃ、瀬奈さんのことは任せた!」

 与田は当たり前のように明るく言って手を上げる。由依はその言葉に引っかかりを覚えた。

(今日は? って、いつも違うの?)

 自分を送るためにそんなことを言い出したのだろうか。それにしては他の三人がそれを自然に受け入れているのが腑に落ちない。「また連絡するな」などと言い合っている男性陣を、由依は少し離れた場所からぼんやりと眺めていた。
 話が終わったのか、大智を除く三人はゆっくり歩き出した。振り返ると手を振り、由依は小さく返しながら会釈をして見送った。

「行こうか」

 大智に優しく微笑みかけられ由依は我に返る。由依の使う駅までは約十五分の道のり。さっきからすれ違う人が振り返るほど、女性たちの視線を集めているこの人と、今から一緒に歩くのだと思うと急に緊張感が増してきた。

「はっ、はい」

 挙動不審になる由依を見て、大智はふふっと笑う。

(……恥ずかしい)

 自分の頰が一気に赤らむのが手に取るようにわかる。由依は歩き出した大智のあとに、俯き加減に続いた。
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