一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
 目的のペンギンの水槽は、陽向が指を刺して場所を教えてくれた。迷子になってしまったが、年齢のわりにしっかりしている。時間を置いたからか混雑も解消されているようで、水槽の前には自分たちが入れるほどの空きもあった。

「見て! ペンギン、飛んでるよ!」

 目の前を飛んでいるように泳ぎ回るペンギンに、さっそく陽向ははしゃぎ始めた。

「本当だ。ペンギンさん、飛んでるね。こっち来てくれないかな。おーい!」

 つい、普段園児たちと話すように大袈裟に手を振り声を上げてしまう。陽向は由依を真似するように続くと「おーい!」と手を振った。そんな陽向を抱える大智は、由依の姿を見て口角を上げていた。

「すみません……。お恥ずかしいところをお見せして……」

 姿勢に気づき、頰を赤らめて由依が言うと、大智は一層笑みを浮かべた。

「どうして? 由依が普段、どんな風に子どもと接しているかが目に浮かぶようだよ」

 慈しむような優しい姿勢を向けられ、より頰がカァッと熱くなる。

「ありがとう……ございます」

 由依はそれだけ返すのが精一杯だった。
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