五年の想いを抱えて
無事に並んで変えたたこ焼きは存分に湯気が出ている。

それでも晴葵は果敢に挑戦して、見事やけどして悶えている。

私はもともと食べるつもりはなかったけど晴葵を見ていたら食べたくなってきてしまった。

「食べる?」

羨ましそうに見ていたのがばれてしまった。

「…うん、ほしい」

上目遣いに様子を伺いながら言うと、晴葵は少し固まってから空いている手で顔を覆って顔をそむけた。

「…それ、反則…」
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