佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

そして、大地も、零士に向けて笑みを返すのだった。

翌日もお互いに仕事がある為、2時間ちょっとで解散となったが、しおりにとって長い2時間ちょっとだった。

いろいろあり過ぎて、思考がごちゃごちゃとして、早く一人になりたかった。

だが、隣には東雲が一緒にいる。

「香織、楽しそうで良かったわ。加賀さん、いい人そうだし、2人が付き合うって報告、すぐ聞けそうな気がする」

「…そう、無理して明るく振る舞うなよ」

「えー、無理してないですよ」

「無理してるだろ。彼氏が他の女といるとこ見たからだろ」

「どうして?」

「俺も見たんだよ。多分、お前が気がついたタイミングで、店から出てくところ」

「あはは、東雲さんも見てたんだ。お昼過ぎに近くのショッピングモール寄った時に、彼がブースにいるの見つけたんだよね。その時に、一緒にいた人だから、仕事の関係で話してただけだと思う」

「そう、信じたいだけだろ」

「そうよ。そうじゃないと…私があの人の彼女なの。なかなか会えなくても、我慢してるのに、浮気?そんなの信じない」

涙をポロポロと流がすしおりを、零士は抱きしめる。

「俺なら、お前を泣かせたりしない」
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