いつか永遠の眠りにつく日まで
「あの王がルチェルナを今の形にし、そして今日まで反乱さえ起こさせずに治めている。」



レオ様はまるで獲物を見るような目で、床付近を見ていた。



「いざ戦争を始めればこれだ、兵力は衰えてはいない。まさに、能ある鷹は爪を隠す…だな。」



お父様を褒められて嬉しいはずなのに、私はどうしていいか分からず視線を俯かせた。

このままじゃレオ様が、デネブリスの皆が…。



「城に帰ったら、城下や戦争に巻き込まれそうな地域に退避命令を出す。」



顔を上げてレオ様を見ると、レオ様も複雑そうな顔をしていた。

(平気なわけ、ないわよね。)



「現状デネブリスはかなり不利な状況だが、俺は諦めはしない。デネブリスの、王として。」



そう言うレオ様の横顔を、ただぼんやりと眺めていた。


(私は……。)

一体、どうしたらいいのだろう。


自分の身の振り方が分からず、私はただ、握り締めた手を見つめていた。


その時不意に、レオ様の手が私の手に重なった。

パッと顔を上げると、レオ様と目が合う。



「俺は。」


美しいお顔が、ふと歪められる。



「俺は、お前を手放すつもりはない。」



その言葉に、涙が溢れそうになった。

応えることは出来ない。けれどただただ、嬉しかった。


許される限りでいい。あなたの側に居たい。

日に日に強くなってしまう許されないその願いは、どんな結末を迎えるのか…。


私はただ、レオ様の手の温もりを噛み締めた。
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