願わくば、再びあなた様と熱い口づけを。
昔から病弱だった小夜の体調が悪化し、命の灯が消えようとしているのをみてはじめて気づいたのだった。
『景春さん、泣かないでくださいな』
『すまない、小夜』
『……最後の最後まで、景春さんは』
『小夜?』
『……私は愛してましたよ。だからいつか景春さんにも……』
そう言って小夜は散り際の桜のように淡く微笑むと、ゆっくりと目を閉じていった。
『小夜……小夜!!!』
小夜は帰らぬ人となった。
小夜を失って知ったのは小夜が常に孤独であったということだった。
寂しいと言えなかった。強がって笑っていただけであった。
はじめて小夜の気持ちに気づいて、自分は小夜を大切に思ってはいたが愛してはいなかったことに気づく。
あの寂しそうで生きづらそうな顔が忘れられなかった。