死神?・・は・・・私の・・・?
夜、麗香はスパークリングウォーターのキラキラした瓶を回し眺めながら、そっと呼びかけた。
『ねースティル、居るんでしょ?』
『ハイ、ここに。』
『もう、死期が数ヶ月後に近づいている人でも構わない?』
『はい。』
『私、初めてこんな気持ちになったの・・・田無夫人を救ってあげたい・・・』
『では、旦那さんを・・・』
『ええ、でもね。夫人が“逝って欲しい”って口走ってしまったから、後悔しないようにしてあげたいの。』
『何をすれば良いですか?』
『・・・旦那さんが死ぬ前に奥様にお礼を言う機会を作って。』
『わかりました。善処します。死期は明日の夜で良いですか。』
『・・・お願い。』
『あと、何かありますか?』
『聞きたいことがあります。スティルは私を良い眠りにつかせてくれる、そういう能力があるのよね?』
『もうわかってしまったのですね。その通りです。』
『やっぱり・・・なら今日もお願い。』
『わかりました。こちらにどうぞ。』
麗香はスティルの横に座り肩に頭をもたれかけた。
スティルは麗香を抱き寄せた。
『おやすみ、麗香さん・・・』
スティルは麗香の頬に触れた。・・・そして寝顔を見ながら今日も唇にキスをした。
— 無防備過ぎだよ。麗香さん。
すると麗香の目から涙がこぼれた。
― えっ? 涙・・・
スティルは思わずその涙を舐め、目にもキスをした。
― 涙って・・・水とちがう・・・しょっぱいって、このこと?・・・
― 麗香さん・・・僕は・・・どうやらあなたに恋をしてしまった・・・
― ダメなのに・・・
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