死神?・・は・・・私の・・・?
亨の引っ越しが終了した。家具はそのままだったので一見は何も変わっていない。それでも何か空気が変わった・・・
亨の部屋の本棚に2人の結婚式の写真がそのまま飾られていた。そしてそこにはサファイヤのネックレスがかけられていた。それを見た途端、腹立たしくなった。そして全ての亨との思い出の品を捨て、模様替えをした。

麗香は実家からこの家に帰ったが落ち着かなかった。自分の家ではないみたいだった・・・それでも夜になるのが待ち遠しかった。だが、毎晩声を掛けたがスティルは出てきてくれなかった。
― もう・・・出てきてくれないの・・・
― イャよ。スティルはわたしだけのもの・・・
― スティル・・・

そんな夜が続いたある日、三枝から声がかかった。
「麗香先生、今晩お時間ありますか?」
「・・・はい。」
「急でスミマセン。あの、よかったら今晩家に来ませんか?」
「えっ? そんな・・・いくら何でも急すぎませんか? 」
「・・・もしかして・・・あっ、いや、そう言うつもりじゃなくて・・・僕のことを知ってもらうには家に来てもらうのが早いかなって。決して・・・ハハハ。」
「すみません。なんか勘違い・・・」
「話したいこともあるから、どうかな?」
「わ、わかりました。」
麗香と三枝は少し食べるものを買って三枝のマンションに行った。
「麗香先生、適当にそのへんに座っていて。あと、なんか見たいとこあったらどこでも見ていいから・・・」
「あっ・・・はい・・・」
麗香は部屋を見廻した。シンプルな白黒の部屋・・・居間の端の机に大きなモニターとパソコンが二つづつ。そして数々のケームソフトとフィギャが並んでいた。
「麗香先生に今日見てほしかったものはこれなんだ。僕の趣味は株とゲーム。暇さえあればこれをやっていて、奥さんに嫌われ出て行かれた。だから、付き合う前に君に伝えておきたかった。」
「そうなんですね・・・」
― これをやっている間は、スティルに会える・・・
「いいじゃないんですか、趣味があって。私なんとも思わないですよ。」
「ほんと? 麗香さん、本当に?」
「ええ・・・」
― これで私には全てが手に入れられる。
― そうよ・・・これが病院のためにも一番いい・・・
三枝が麗香の後ろから抱きついてきた。
「麗香さん・・・あとは、君との相性だけだ・・・イャですか?」
いきなりのことで麗香は固まった。その時、台所からすごい音がした。
「ガシャーン!!!」
ビクッとして三枝は台所の方を見た。麗香はその隙に三枝の手の中からすり抜けた。
「私、帰ります!」
あわててバックを掴んで、麗香は三枝のマンションから飛び出した。
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