その笑顔を守るために
数日後…ICUを出て一般病棟に移されていた美香の元を、瑠唯は三ツ矢を伴い回診に訪れていた。
「美香ちゃん…どう?調子は?」
「うん!もう痛みもだいぶ引いて大丈夫!動くとちょっと痛いからトイレ行くのが大変。」
「そう…じゃあ、ちょっと傷見せて。」
腹部のガーゼを外して傷を確認する。その後消毒を施す。
「うん!大丈夫そうだね!これなら傷口も綺麗に治って後もあまり残らないと思うよ。」
「先生が傷口、凄く丁寧に縫ってくれたって…長谷川先生が言ってた。」
「そうだね。将来、お嫁にいったりする時に、目立たないほうがいいと思って…」
「お嫁に?…私…そんな日が来るのかなぁ?」
力無く美香が呟く。
「来るに決まってるよ!」
そう答える瑠唯に突然パッと顔を向けて
「先生は?先生はお嫁に行かないの?長谷川先生と仲いいじゃん!彼女なの?」
「えっ!違うよ!長谷川先生は学生時代の先輩なの。」
「その時、付き合ってたんじゃないの?長谷川先生言ってたよ!口説いてるって…」とはしゃぐ。
なんか…彼女の雰囲気が変わった?気のせいだろうか?明るくなった様な気がする。
にしても何だ!口説いてるって…長谷川先輩のバカ!
「口説かれてません!」
瑠唯ははっきり、きっぱり言うと美香の病室を後にした。
「もう心配ないとは思うけど…あの子ちょっといろいろ抱えてるから、三ツ矢くんも気にかけてあげてくれると助かるかも…」
黙ったまま後ろから付いてくる三ツ矢に、瑠唯は振り向かずにそう話しかける。
「原田先生は何で指導医でも無いのに僕の事を何かと気にかけてくれるんですか?…罪滅しですか?」
その言葉に、ピタリと歩みを停めた瑠唯がソロソロと振り向き三ツ矢の視線を真っ直ぐに捉えた。
「お気付きですよね!僕が「三ツ矢彰人」の息子だって…」
重たい沈黙…
「多分…そうだろうと…思ってました。オペ室の三ツ矢さんは…お姉さん?」
「そうです!三ツ矢優子は僕の姉です。それをわかった上で、僕ら姉弟に色々と目をかけるんですか?」
「違う!それは違います。お姉さんを…三ツ矢さんをオペで指名するのは、機械出しとして極めて優秀だから…君を…君に臨床を積んでもらっているのは、将来に必要な事だから…ただそれだけ。迷惑なら…今後は控えます。」
「本当にそれだけなんでしょうか?懐に入り込んで懐柔でもするつもりなのでは…?」
「そんなつもりは…そんなつもりは、全くありません!」
「そうですか。どちらにしても僕はそんな魂胆には、はまりませんよ!僕は…僕は、本当の事が知りたいんだ!あの日…どんな診断がされて、それが…本当に適切な診断だったのか…だとしたら何故父は死んだのか!保身の為の説明じゃない真実が!」
「美香ちゃん…どう?調子は?」
「うん!もう痛みもだいぶ引いて大丈夫!動くとちょっと痛いからトイレ行くのが大変。」
「そう…じゃあ、ちょっと傷見せて。」
腹部のガーゼを外して傷を確認する。その後消毒を施す。
「うん!大丈夫そうだね!これなら傷口も綺麗に治って後もあまり残らないと思うよ。」
「先生が傷口、凄く丁寧に縫ってくれたって…長谷川先生が言ってた。」
「そうだね。将来、お嫁にいったりする時に、目立たないほうがいいと思って…」
「お嫁に?…私…そんな日が来るのかなぁ?」
力無く美香が呟く。
「来るに決まってるよ!」
そう答える瑠唯に突然パッと顔を向けて
「先生は?先生はお嫁に行かないの?長谷川先生と仲いいじゃん!彼女なの?」
「えっ!違うよ!長谷川先生は学生時代の先輩なの。」
「その時、付き合ってたんじゃないの?長谷川先生言ってたよ!口説いてるって…」とはしゃぐ。
なんか…彼女の雰囲気が変わった?気のせいだろうか?明るくなった様な気がする。
にしても何だ!口説いてるって…長谷川先輩のバカ!
「口説かれてません!」
瑠唯ははっきり、きっぱり言うと美香の病室を後にした。
「もう心配ないとは思うけど…あの子ちょっといろいろ抱えてるから、三ツ矢くんも気にかけてあげてくれると助かるかも…」
黙ったまま後ろから付いてくる三ツ矢に、瑠唯は振り向かずにそう話しかける。
「原田先生は何で指導医でも無いのに僕の事を何かと気にかけてくれるんですか?…罪滅しですか?」
その言葉に、ピタリと歩みを停めた瑠唯がソロソロと振り向き三ツ矢の視線を真っ直ぐに捉えた。
「お気付きですよね!僕が「三ツ矢彰人」の息子だって…」
重たい沈黙…
「多分…そうだろうと…思ってました。オペ室の三ツ矢さんは…お姉さん?」
「そうです!三ツ矢優子は僕の姉です。それをわかった上で、僕ら姉弟に色々と目をかけるんですか?」
「違う!それは違います。お姉さんを…三ツ矢さんをオペで指名するのは、機械出しとして極めて優秀だから…君を…君に臨床を積んでもらっているのは、将来に必要な事だから…ただそれだけ。迷惑なら…今後は控えます。」
「本当にそれだけなんでしょうか?懐に入り込んで懐柔でもするつもりなのでは…?」
「そんなつもりは…そんなつもりは、全くありません!」
「そうですか。どちらにしても僕はそんな魂胆には、はまりませんよ!僕は…僕は、本当の事が知りたいんだ!あの日…どんな診断がされて、それが…本当に適切な診断だったのか…だとしたら何故父は死んだのか!保身の為の説明じゃない真実が!」