その笑顔を守るために
「あっ…だめ…先生…」
泡の湯船に二人で浸かり、後ろから宣言通りに隅々まで撫で回されて瑠唯は喘いでいた。
「んっ…やっ…」
「ここは、やじゃないって言ってる。」
項にキスを落として、山川の長い指が瑠唯の中を掻き乱す。瑠唯が涙目で振り返り、山川を睨みつけると…
「そんな顔で睨んでも…煽るだけだよ。」
そして噛みつく様なキスをする。
「そのまま、僕の上に座って…ああ…そう…もう限界だ…」
バスルームに瑠唯の甘い鳴き声が響きわたった。
洗面所の鏡の前で山川に髪を乾かしてもらいながら、瑠唯は唖然としていた。巻着付けたバスタオルから覗く身体の至る所に残る、赤いあと…それどころか、バスタオルに隠された肌はもっと凄いことになっている。
「…先生が…こうゆう人だって、知りませんでした…」
瑠唯が涙目で抗議する。
「また…先生になってる。なんかお仕置き考えようかな?」
そう言って、フワッと耳たぶを触った。そのくすぐったさに、思わず瑠唯が首をすくめる。
「先生!」
「だーかーらー、名前…呼んで。」
「修司…先生…?」
「先生じゃないでしょ?」
そう言ってまた耳たぶを触った。
「んっ…修司…さん…?」
「さん、もいらない。」
「そ、そんな訳にはいきません!」
あらかた乾いた髪をかきあげ、項に唇を寄せて息を吹きかけるように囁く。
「まあ、いいや…で、こういう人っていうのは…どうゆう人?」
その感触に瑠唯の身体はまたしても疼きを覚える。
「こ…こんな…あっ…」
「ん?」
首筋から肩にかけて舌を這わせながら…
「こんな…?エッチな人って事?」
瑠唯が小さく頷いた。
「男なんてみんなこんなもんだよ。」
「だって…滝川先生が…」
「また、滝川?」
山川が肩に軽く歯をたてる。
「あっ…だって…山川…先生…子供の時から優等生だったって…
それに…指導医だった頃の先生…は…ああ…」
バスタオルの隙間から山川の手が滑り込み、瑠唯の素肌を弄った。
「それは、演じてただけだ。天才と言われた兄と秀才と言われた姉の下で、せめて優等生でなければならなかったから…指導医だった頃は必死に自分を抑えていた。本当の僕はいつだって、臆病で卑怯者だったよ。あの時だって、指導医という立場にありながら耐えきれず君にキスして…このまま側にいたら、いつか君を自分のものにしてしまいそうで…怖くて…逃げ出したんだ。今だって…君に拒絶する隙を与えないように、こうしてる。」
そう言いながら、山川は後ろから瑠唯の顎を引き寄せて口づける。
その時、瑠唯のお腹がグウゥとなった。
「あっ…」
瑠唯は咄嗟にお腹を押さえ、赤くなって下を向いた。
「ハハ…そうだね、もう昼過ぎだ。ブランチにテイクアウトしたサンドイッチがランチになっちゃったけど…着替えたらおいで…コーヒーを入れておく。ミルクと砂糖たっぷりのカフェオレをね。」
そう言い残して山川は洗面所を出て行った。
瑠唯が着替えを済ませてキッチンにいくと、コーヒーのいい香りがする。テーブルには、美味しそうなサンドイッチとサラダが並んでいた。
「ブランチの時間に届いたから少し乾いちゃったかもしれないけど、取り敢えず食べようか。」
「はい…いただきます。」
二人はテーブルにつき、サンドイッチを頬張る。
「美味しい…サラダは先生…」
そう言いかけて山川を見ると、目を細めて冷たい視線を向けている。瑠唯は小さく咳払いをすると
「サラダは、し…修司さんが作ったんですか?」と、ぎこちなく尋ねた。
山川は満足そうに微笑んで…
「作ったって程のものじゃないよ。ただ、野菜を千切って器に入れただけだ。」
「それでも私からしたら、偉業です。…実は私…いわゆる家事全般…壊滅的で…」
「うん…知ってる。大野先生が言ってた。」
「…っ、ほんとに、お二人でどんな話しされたんですか?」
瑠唯のそんな抗議をサラっと無視して、山川はスっと立ち上がると寝室にむかい、直ぐに戻って瑠唯の横に立つ。テーブルの上に小さな四角い箱を置くと…
「本当はもっとかっこいいシチュエーションを用意したかったんだけど…昨日は焼き鳥屋のカウンターだったし、周りに色々知り合いもいたし…こんな所でなんなんだけど…僕と結婚してほしい。」
山川は瑠唯の前に膝を折り、箱を開ける。
そこには、オーロラに輝くダイヤの指輪が入っていた。
あまりの驚きに固まったまま、瑠唯は言葉も出ない。
「僕は、最初からそのつもりだったけど…君は違った?」
「えっ…私…びっくりしちゃって…」
「僕は、今日にでも役所に行って届けを出したい…手を出して…」
だが、瑠唯の左手は膝の上で硬く握られたまま動かない。
「あ、あの…少し…少し待っていただけますか?」
瑠唯は小さく呟く。
「…それは…入籍を?それとも…返事そのものを?僕は振られる可能性がある?」
「それは…」
瑠唯が俯く。
山川は両腕を彼女の腰に回して、その膝に顔をうずめる。
「僕は怖いんだ。やっと捕まえた君を失ってしまうことが…僕は、臆病者だから…確約が欲しい…」
瑠唯は山川の髪をそっと手で梳いて…
「大野先生が…回復されるまで、待って貰えませんか?」
暫くの沈黙の後…山川は「ふぅー」と大きな息を吐き出すと
「それを言われたら…仕方がない。待つよ…大野先生が回復するまで…でも、ただ指をくわえて待ってはいない。毎日…君を口説くよ。」
爽やかに宣言する。
瑠唯は困ったように微笑み
「先生…私ちょっと病院行って、大野先生の様子…診てきたいんですけど…」
「ああ、行こう。髙山院長にも呼ばれてるしね。」
「えっ?」
「昨日、タクシーの中で電話がかかってきただろう?今日二人で、院長室に顔を出せって…」
「ええーっ?」
泡の湯船に二人で浸かり、後ろから宣言通りに隅々まで撫で回されて瑠唯は喘いでいた。
「んっ…やっ…」
「ここは、やじゃないって言ってる。」
項にキスを落として、山川の長い指が瑠唯の中を掻き乱す。瑠唯が涙目で振り返り、山川を睨みつけると…
「そんな顔で睨んでも…煽るだけだよ。」
そして噛みつく様なキスをする。
「そのまま、僕の上に座って…ああ…そう…もう限界だ…」
バスルームに瑠唯の甘い鳴き声が響きわたった。
洗面所の鏡の前で山川に髪を乾かしてもらいながら、瑠唯は唖然としていた。巻着付けたバスタオルから覗く身体の至る所に残る、赤いあと…それどころか、バスタオルに隠された肌はもっと凄いことになっている。
「…先生が…こうゆう人だって、知りませんでした…」
瑠唯が涙目で抗議する。
「また…先生になってる。なんかお仕置き考えようかな?」
そう言って、フワッと耳たぶを触った。そのくすぐったさに、思わず瑠唯が首をすくめる。
「先生!」
「だーかーらー、名前…呼んで。」
「修司…先生…?」
「先生じゃないでしょ?」
そう言ってまた耳たぶを触った。
「んっ…修司…さん…?」
「さん、もいらない。」
「そ、そんな訳にはいきません!」
あらかた乾いた髪をかきあげ、項に唇を寄せて息を吹きかけるように囁く。
「まあ、いいや…で、こういう人っていうのは…どうゆう人?」
その感触に瑠唯の身体はまたしても疼きを覚える。
「こ…こんな…あっ…」
「ん?」
首筋から肩にかけて舌を這わせながら…
「こんな…?エッチな人って事?」
瑠唯が小さく頷いた。
「男なんてみんなこんなもんだよ。」
「だって…滝川先生が…」
「また、滝川?」
山川が肩に軽く歯をたてる。
「あっ…だって…山川…先生…子供の時から優等生だったって…
それに…指導医だった頃の先生…は…ああ…」
バスタオルの隙間から山川の手が滑り込み、瑠唯の素肌を弄った。
「それは、演じてただけだ。天才と言われた兄と秀才と言われた姉の下で、せめて優等生でなければならなかったから…指導医だった頃は必死に自分を抑えていた。本当の僕はいつだって、臆病で卑怯者だったよ。あの時だって、指導医という立場にありながら耐えきれず君にキスして…このまま側にいたら、いつか君を自分のものにしてしまいそうで…怖くて…逃げ出したんだ。今だって…君に拒絶する隙を与えないように、こうしてる。」
そう言いながら、山川は後ろから瑠唯の顎を引き寄せて口づける。
その時、瑠唯のお腹がグウゥとなった。
「あっ…」
瑠唯は咄嗟にお腹を押さえ、赤くなって下を向いた。
「ハハ…そうだね、もう昼過ぎだ。ブランチにテイクアウトしたサンドイッチがランチになっちゃったけど…着替えたらおいで…コーヒーを入れておく。ミルクと砂糖たっぷりのカフェオレをね。」
そう言い残して山川は洗面所を出て行った。
瑠唯が着替えを済ませてキッチンにいくと、コーヒーのいい香りがする。テーブルには、美味しそうなサンドイッチとサラダが並んでいた。
「ブランチの時間に届いたから少し乾いちゃったかもしれないけど、取り敢えず食べようか。」
「はい…いただきます。」
二人はテーブルにつき、サンドイッチを頬張る。
「美味しい…サラダは先生…」
そう言いかけて山川を見ると、目を細めて冷たい視線を向けている。瑠唯は小さく咳払いをすると
「サラダは、し…修司さんが作ったんですか?」と、ぎこちなく尋ねた。
山川は満足そうに微笑んで…
「作ったって程のものじゃないよ。ただ、野菜を千切って器に入れただけだ。」
「それでも私からしたら、偉業です。…実は私…いわゆる家事全般…壊滅的で…」
「うん…知ってる。大野先生が言ってた。」
「…っ、ほんとに、お二人でどんな話しされたんですか?」
瑠唯のそんな抗議をサラっと無視して、山川はスっと立ち上がると寝室にむかい、直ぐに戻って瑠唯の横に立つ。テーブルの上に小さな四角い箱を置くと…
「本当はもっとかっこいいシチュエーションを用意したかったんだけど…昨日は焼き鳥屋のカウンターだったし、周りに色々知り合いもいたし…こんな所でなんなんだけど…僕と結婚してほしい。」
山川は瑠唯の前に膝を折り、箱を開ける。
そこには、オーロラに輝くダイヤの指輪が入っていた。
あまりの驚きに固まったまま、瑠唯は言葉も出ない。
「僕は、最初からそのつもりだったけど…君は違った?」
「えっ…私…びっくりしちゃって…」
「僕は、今日にでも役所に行って届けを出したい…手を出して…」
だが、瑠唯の左手は膝の上で硬く握られたまま動かない。
「あ、あの…少し…少し待っていただけますか?」
瑠唯は小さく呟く。
「…それは…入籍を?それとも…返事そのものを?僕は振られる可能性がある?」
「それは…」
瑠唯が俯く。
山川は両腕を彼女の腰に回して、その膝に顔をうずめる。
「僕は怖いんだ。やっと捕まえた君を失ってしまうことが…僕は、臆病者だから…確約が欲しい…」
瑠唯は山川の髪をそっと手で梳いて…
「大野先生が…回復されるまで、待って貰えませんか?」
暫くの沈黙の後…山川は「ふぅー」と大きな息を吐き出すと
「それを言われたら…仕方がない。待つよ…大野先生が回復するまで…でも、ただ指をくわえて待ってはいない。毎日…君を口説くよ。」
爽やかに宣言する。
瑠唯は困ったように微笑み
「先生…私ちょっと病院行って、大野先生の様子…診てきたいんですけど…」
「ああ、行こう。髙山院長にも呼ばれてるしね。」
「えっ?」
「昨日、タクシーの中で電話がかかってきただろう?今日二人で、院長室に顔を出せって…」
「ええーっ?」