御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
家に帰ると、あの人が広間に座っている。
「空斗。最近週末は何処に行ってるんだ?」
「あなたには関係ないでしょ。仕事は全てこなしていますから」
「休みも仕事しろよ。付き合いも大事だ」
「何の付き合いですか?仕事上なら平日、挨拶に行けばいいでしょ」
「どういう意味だ?」
「俺は、ビジネスはビジネスとして割り切っています。財閥としての名前だけでなく、実力で國宮グループを守ります。それに」
「それに何だ?」
「休みの日に、自分の大切な人以外の女性を抱くために帰ってこない、なんて、生活するつもりはないんで」
「父親になんて口の利き方してるんだ!」
「父親であり、社長だ。意見は言わせてもらうよ」
俺は、廊下で繋がっている、別宅の自分の家に戻った。
財閥という家系に囚われて、本来守るべきことを、忘れてしまう人生にはしたくない。
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