冷徹な御曹司は親友の妹への溢れ出る独占欲を抑えられない。
「じゃ、俺ん家で」
「それならいいですよ」
「あ、いいんだ?」
クスッと笑われたけど、だって仕方ないじゃない。私だってもっと触れたいし、触れてもらいたいって思っちゃうんだから――。
「よし、とっとと帰ろう。今すぐ帰ろう」
「切り替え早すぎてなんか嫌〜」
「うるせえな。こちとら拷問並に耐えてたんだが。つーか紫、そういう服は俺と二人の時だけにして」
「え?」
「肌を見ていいのは俺だけなんだよ」
「っ、」
お腹を空かせた子犬みたく寂しそうにしていると思ったら、急に獣みたく欲望を剥き出しにして私を求めてくれる。
隠そうともしない独占欲に溢れた重すぎる愛が、私を包み込んで満たしてくれる。
さっきまでの不安な気持ちはどこかに消えてしまった。
まだまだ私たちの恋は始まったばかりで、また不安になったりすることもあるかもしれないけど。
あなたが傍にいてくれるなら、きっと大丈夫。
そんなあなたのことを私も心から愛してる。
「紫、そろそろシートベルト絞めて」
「キリさん」
「ん?」
私は耳元に唇を寄せて、そっと囁いた。
「――やっぱりキリのことが、世界で一番大好き」
お兄ちゃんより素敵な人はいないけど。
お兄ちゃんより大好きでずっと大切にしたい人って思える人は、あなた以外にはいない。
「……紫、やっぱり今すぐ」
「ダメって言ってるでしょ!」
fin.


