恋は秘密のその先に
「定番で言うと、このお菓子かな」
「わー、可愛い! 繊細で美しくて……。これは見るだけでも楽しめますね」
「ああ。日持ちもするし、味も食べやすいと思う。秘書課でも取り寄せて味見したけど、美味しかったよ」
「そうなんですね! じゃあ、まずこれは決まり! あとはもう少し数があるものを……」
副社長室のソファに並んで座り、真里亜と住谷はプレゼントを選ぶ。
カタログやインターネットのサイトを見ながら、日本らしさを感じられ、尚且つ喜ばれそうなお菓子などを片っ端から見ていく。
桜や富士山、金魚などをモチーフにしたおかきやあられ、カラフルで味も色々楽しめる金平糖、抹茶や和三盆を使った和菓子など、どれにしようかと真剣に話し合う。
「カレンさんには、この風呂敷バッグがいいかなー。サムさんは、この手ぬぐいとか喜んでくれそう」
「へえー、そうなんだ」
「CEOの奥様には、この桜の柄のストールがいいかも?」
「うん、実用的でいいと思う。ニューヨークは寒いしね。CEOには、うーん、迷うね」
顔を寄せ合い、これは?あ、こっちもいいかも……と、二人は時間も忘れて熱中していた。
そんな真里亜と住谷の様子が、文哉は気になって仕方ない。
今すぐ真里亜を自分の近くに呼び寄せたかったが、仕事の話をしているのだから、と己に言い聞かせていた。
「あっ! 住谷さん、これは? 江戸切子のペアグラス」
「おおー、いいね! 夫婦でお酒を楽しんでもらえるし。それなら日本酒も一緒に贈ろうか」
「ええ、そうしましょう!」
「うん、決まりだな」
二人は一層顔を近づけて、嬉しそうに微笑み合う。
(あー、もうだめだ!)
文哉は住谷をジロリと睨みながら、地の底からのような低い声で言った。
「智史、離れろ」
真里亜に向けていた笑顔を残したまま、住谷は文哉を振り返る。
「は? どうして?」
「俺の女だ」
しばらくの沈黙の後、住谷は、ヒーッ!と仰け反って驚いた。
「わー、可愛い! 繊細で美しくて……。これは見るだけでも楽しめますね」
「ああ。日持ちもするし、味も食べやすいと思う。秘書課でも取り寄せて味見したけど、美味しかったよ」
「そうなんですね! じゃあ、まずこれは決まり! あとはもう少し数があるものを……」
副社長室のソファに並んで座り、真里亜と住谷はプレゼントを選ぶ。
カタログやインターネットのサイトを見ながら、日本らしさを感じられ、尚且つ喜ばれそうなお菓子などを片っ端から見ていく。
桜や富士山、金魚などをモチーフにしたおかきやあられ、カラフルで味も色々楽しめる金平糖、抹茶や和三盆を使った和菓子など、どれにしようかと真剣に話し合う。
「カレンさんには、この風呂敷バッグがいいかなー。サムさんは、この手ぬぐいとか喜んでくれそう」
「へえー、そうなんだ」
「CEOの奥様には、この桜の柄のストールがいいかも?」
「うん、実用的でいいと思う。ニューヨークは寒いしね。CEOには、うーん、迷うね」
顔を寄せ合い、これは?あ、こっちもいいかも……と、二人は時間も忘れて熱中していた。
そんな真里亜と住谷の様子が、文哉は気になって仕方ない。
今すぐ真里亜を自分の近くに呼び寄せたかったが、仕事の話をしているのだから、と己に言い聞かせていた。
「あっ! 住谷さん、これは? 江戸切子のペアグラス」
「おおー、いいね! 夫婦でお酒を楽しんでもらえるし。それなら日本酒も一緒に贈ろうか」
「ええ、そうしましょう!」
「うん、決まりだな」
二人は一層顔を近づけて、嬉しそうに微笑み合う。
(あー、もうだめだ!)
文哉は住谷をジロリと睨みながら、地の底からのような低い声で言った。
「智史、離れろ」
真里亜に向けていた笑顔を残したまま、住谷は文哉を振り返る。
「は? どうして?」
「俺の女だ」
しばらくの沈黙の後、住谷は、ヒーッ!と仰け反って驚いた。