不器用な神野くんの一途な溺愛


「おー斗真。これから帰んのかー?」


教室の中から声をかけたのは、中島くん。私の隣の席の人。

その中島くんは、まるで私に向かって話しているようだった。もちろん「私に」じゃなくて、さっき私とぶつかった「隣の人」に。

私の隣にいる「斗真」っていう人に――


「 (ん!?) 」


斗真?

斗真って、神野斗真くん!?


「 (さっき神野くんにぶつかっちゃったんだ! 最悪だ……っ) 」


すると、私のすぐ横で声が聞こえた。


「帰れねーんだよ。交通委員のせーで」


その声は、やっぱり神野くんのものだった。
< 11 / 425 >

この作品をシェア

pagetop