不器用な神野くんの一途な溺愛
「おー斗真。これから帰んのかー?」
教室の中から声をかけたのは、中島くん。私の隣の席の人。
その中島くんは、まるで私に向かって話しているようだった。もちろん「私に」じゃなくて、さっき私とぶつかった「隣の人」に。
私の隣にいる「斗真」っていう人に――
「 (ん!?) 」
斗真?
斗真って、神野斗真くん!?
「 (さっき神野くんにぶつかっちゃったんだ! 最悪だ……っ) 」
すると、私のすぐ横で声が聞こえた。
「帰れねーんだよ。交通委員のせーで」
その声は、やっぱり神野くんのものだった。