不器用な神野くんの一途な溺愛
「 (一番後ろの席に座っていたのに、わざわざ来てくれたの……?) 」


会議室は普通の教室とは違って、少しだけ奥行きがある。

神野くんは最後尾にいたけど、私の元に来てくれた速さを考えると……


「 (私が転んで、すぐ動いてくれたのかな……?) 」


他の人が私の噂をしている時に、神野くんは、私を助けようとしてくれていたの?


「 (あの神野くんが……?) 」


あ、じゃなくて……!

お礼を言わなきゃっ。

さっき廊下でぶつかった時は謝れなかったから、今度こそ……っ!


「あ……り…………と」

「……」


私としては、とても頑張った……。

でも周りの人からすると、私の言葉は、やっぱり「変」なものだった。


「ぷぷー、“ ありと”だって」

「そんな事も言えないんだなぁ、小野宮さんて……」


嘲笑と、哀れみの声……。

それらは容赦なく、私の耳に入ってくる。
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