不器用な神野くんの一途な溺愛
「 (また、だめだった……) 」


さっき希春先輩といて、私は少しずつ変われるかもって、そう思ったのに……。

やっぱり、伝わらなかった。

私の言葉も、精一杯の頑張りも……。


そう思って悲しくなった、その時だった――


「……ん。いーから、行くぞ」

「 (え) 」


神野くんが、私の言葉を「お礼」として受け取ってくれた……。

私の「ありがとう」が、神野くんに伝わっていた……。


「 (よ、よかった……っ) 」


頑張って良かった……!


まだ皆がヒソヒソする中。

神野くんは私の腕を握ったまま、一番後ろの席へ移動する。


「やっぱ王子だよねー」

「さすが神野くんだよ」


私と正反対の存在の、神野くん。
私は苦手……。

だけど、


「 (今だけは、その強引さが有難い) 」


これ以上、私が辛くなる噂話を聞きたくないから。

みんなの横を早く通りすぎて、目立たない一番後ろの席に……

一秒でも早く――
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