不器用な神野くんの一途な溺愛
亀井さんの髪はふわふわで、スカート短くてピアスをしてて……私とは正反対の、キラキラして可愛い人。

足を怪我したって聞いたけど……足、大丈夫かな?

よし、聞いてみよう……!


「あ……し…………」

「ま、いーか! 小野宮さん、帰宅部だもんね! 交通委員って行事多いけど、小野宮さんなら大丈夫だね!」


じゃ、よろしくね!――と、亀井さんは鞄を持って、廊下に出て行く。


「 (行っちゃった……) 」


大丈夫?って聞きたかったんだけど、聞けなかったな……。

すると、廊下に出ていた亀井さんと、その友達の声が聞こえた。


「交通委員は代わってもらえたー?」

「バッチリー! あの小野宮さんにあみだが当たってさー。なんか大丈夫そう」

「小野宮さんって確か……めっちゃ可愛いんだけど”中身が残念”で有名な、あの小野宮さん?」

「そ。その小野宮さん」

「(悪い噂で有名だなぁ、私……)」


落ち込んでいると、亀井さんの友達が「悪い女〜」と、彼女を笑う。
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