不器用な神野くんの一途な溺愛
「だってあんた帰宅部でしょー? なーにが“ 部活で足ケガした”だよ。ピンピンしてんじゃん」

「(え)」

「ちょ! シー!! 静かにしてよ!」


さっき自分が聞いた言葉が信じられない。

私、嘘つかれたんだ。亀井さんに――


ショックで打ちひしがれている私に気づかないまま、亀井さんの友達が「そもそも」と続ける。


「何で交通委員なんかに入ったのー?」


途端に亀井さんがニヤッと笑い、「だって〜」と嬉しそうに話す。


「そりゃ“ 王子”がいるからに決まってんじゃん」

「 (わぁ、王子かぁ……) 」


その言葉を聞いた瞬間、思わず顔が歪む。
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