不器用な神野くんの一途な溺愛
『なんでだよ、普通に腹立つんだけど』

『すまない! でも、ここであの子に心理的負担を増やすと、もう登校してこないんじゃないかと心配していてね……』

『登校拒否? 土壇場で仕事を放り投げるような強者が、そんな脆いメンタルの持ち主には思えねーけど』

『うーん……。でも、そのなぁ……』


なにか言いたいことがありそうな顔だ。教頭の額に、汗が光る。

首席ってのは、頭はいーが相当な問題児なんじゃねーの?


『首席……じゃなくて小野宮って奴、そもそも何で挨拶を断ったんだよ?』


それが一番の謎だ。

やりたくないからと言って、学校側も「はいそうですか」と頷くわけもねーだろ?

すると教頭は「うーん」と俯く。


そして――


『あの子は特別だからねぇ。

人と話せないんだ。極端にね』


聞き間違いかよ。

そう思った。
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