不器用な神野くんの一途な溺愛
色白の肌、大きな目、艶のある長い髪、口はりんごみてぇな、赤い色。

クラスの奴らは、息を飲んで、小野宮の姿を見ていた。

男子なんかは顔を赤くして、一体何人が一目惚れしたんだよ。


でも、違う。


『ほら小野宮、一言挨拶な!』

『……』

『ん⁉ 小野宮どうした!腹 でも痛いのか⁉』


俺は、違うことを思っていた。


『小野宮って、人形みてーな奴だな』


可愛いとか、綺麗とか。そんな事じゃねぇ。

喋らねーんなら、人形と同じだ。


『人形? あぁ、ほんと、人形みたいな可愛さだよな、小野宮さん! あとで声かけちゃおっかな〜』

『可愛いくて”人形”っつったんじゃねーよ』

『なんだよ。先越されたくないからって、嫉妬すんなよ〜』

『アホか。ちげーよ』


この時期に既によく喋っていた中島が、隣の席で鼻息荒く話している。

緊張で話せない、とでも思ってんのか?


ちげーよ。

あれは、そんなんじゃねーよ。
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