不器用な神野くんの一途な溺愛
「(はー。マジでこいつと一年一緒かよ……)」


小野宮はいつも以上にどんくせーし、いつにも増して暗……


「ん?」


一瞬、目を疑った。

あの小野宮が、顔を上げて、きちんと前を向いていたから。


あれ?

さっきまで、顔色悪くして震えてたよな?


「(交通委員のこと、好きなのか?)」


1週間もすれば、この委員会で地獄を見ると思うけどな。

まだ現実を知らねーのか。


「(かわいそうなや、つ……)」


そこまで思って、すぐ。

現実を知らないのは、俺自身だと気づいた。


小野宮の大きな目は、いつも以上に開かれている。

顔も、いつもより血色が良くて、一点を見つめて、微動だにしない。

その一点とは――
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