不器用な神野くんの一途な溺愛
『あ、り……が、と』

「(……は?)」


小野宮がおかしい。

まず俺に礼を言ってきた。その次に笑った。

俺に向けて。


「(は? いや……ちょっと待てよ)」


お前、俺の事キライなんだろ?

苦手なんだろ? 距離とりたいんだろ?


「(そんな無防備に笑っていーのかよ)」


さすが「人形」と言われるだけあって、小野宮の顔は整っている。中島なんかに言わせれば「笑顔かわいすぎ!!」ってところか。

だから、なのか。


「か、のく……?」

「……あ?」


恐らく「神野くん」と言った小野宮は、自分の顔をトントンと指で押した。次に、その指で俺を指す。

ん? 顔? なんかついてんのか?

近くの窓に自分の顔を反射させる。写ったのは、顔を赤くさせた俺の顔。
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