この結婚が間違っているとわかってる

 *

翌日、小花はキッチンに立って夕食の支度をしていた。

伊織は今日も出掛けていて不在だ。でもあまり遅くならないと言っていたので一緒に食べる夕食を作っている。

昨日、伊織に教えてもらったハンバーグを自分ひとりで作ると決めた。そして伊織に食べてもらいたい。

拓海から高校時代のお弁当の話を聞かされたからかもしれない。小花のためにお弁当のおかずを多く作っていてくれた伊織に今さらながら感謝を伝えたいと思ったのだ。

「ただいまー」

午後八時過ぎに伊織が帰宅した。

もしかして外で夕食を取ってきてしまったかと思ったがまだ食べていないらしい。ハンバーグを作ったと言うと伊織は疑いの眼差しで小花を見た。

「毒入れてないだろうな」
「入れてないよ!」

失礼だなと、小花はやっぱり伊織にハンバーグを食べてもらうのをやめようと思った。でもせっかく作ったのだから食べてもらいたい。

「じゃあ食ってやる」

上から目線の伊織の発言が腹立つけれど、食べてはくれるらしい。

部屋着に着替えてリビングに戻ってきた伊織と一緒に夕食を取る。
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