この結婚が間違っているとわかってる
ハンバーグを一口食べてから伊織の眉間にシワが寄った。
「かたいしパサパサしてんな」
「やっぱり? 火が強かったのかな」
小花の作ったハンバーグは焦げていた。中心部までしっかりと火が通っているのかわからなくてついつい焼きすぎてしまったのが原因かもしれない。
料理に厳しい伊織はその後もソースが酸っぱいなど次々とダメ出しをしてきたけれど、お皿の上の料理は完食していた。
こういうところなんだよなと、小花は思う。
正直に言って小花の作ったハンバーグはおいしくない。伊織の性格を思えばマズいと言って残してもおかしくないのに、ダメ出しはしつつもきちんとすべて食べてくれる。
伊織の優しい一面を見てしまった。小花はなんだか複雑な気持ちだ。
伊織といると拓海とはまた別の居心地の良さを感じる。口を開けばすぐに喧嘩になってしまうけど、突き詰めれば本音を言い合える仲ということ。
たぶん小花は拓海よりも同じ歳の伊織と一緒に過ごした時間の方が長い。そう考えると、伊織を好きになる可能性もあったのだ。