ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「まだそこまで考えられないか? 俺は真剣なんだが」
「や、ちょっと……突然でびっくりして」

 彼女は綺麗な瞳を揺らしてほんのり頬を染めるも、どこか不安げだ。

「本当に、いいんですか? まだ会って数週間なのに、結婚相手を私に決めてしまって」

 依都が不安がるのもわかる。俺たちはまだお互いの一部分しか知らないのだから。

 じゃあ、一体どれだけ付き合えば結婚してもいいと言えるのか。一年、あるいはもっと長く一緒にいても、相手のすべてを理解できるとは限らない。

 だったら、今結婚しても同じではないかと思う。十分お互いを求め合っているのに、何年も待つのは俺にとっては酷だ。

「俺は今すぐだろうと一年後だろうと、依都と生きていきたい気持ちは変わらないと言い切れる。君を嫌いになるほうがよっぽど難しいからな」

 真剣に、誠実に想いを伝える。不安そうな依都の表情が、徐々にしっかりとした顔つきになっていく。

「だが、君が乗り気じゃないなら──」
「そんなことないです! したいです、結婚」

 言葉を遮って前のめりに返され、今度は俺が目を丸くした。

「史悠さんとだったら、幸せになれるって信じられるから。ちょっと驚いただけで、すごく嬉しいし結婚したい気がないわけじゃないんです」

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