ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
その週の土曜日、午後二時。休日の俺と依都は、昼の営業を終えたばかりのしいじにやってきた。
ふたりで中へ入った途端、店主の新さん夫妻に「結婚おめでとう!」と祝福された。俺たちはそれぞれ礼を言い、目を合わせて微笑む。
先ほど、ふたりで婚姻届を提出してきた。れっきとした妻になった依都が、とても嬉しそうにしているのを見るだけで幸せだ。
男の俺は、依都が同じ苗字になった実感はあまりないが、守るべき存在ができたと思うとやはり身が引き締まる。
休みを取った依都は『お祝いしたいから、婚姻届を出し終わったらふたりでしいじにおいで』と言われたらしく、俺も新さんたちに挨拶したかったのでやってきたというわけだ。
軽く自己紹介して、箸を用意してくれてあるテーブル席に依都と並んで座ると、新さん夫妻がうきうきしながら料理を持ってきてくれる。
「まさか依都ちゃんがこんなに急に結婚するなんて~」
「彼氏がいるってのも知らなかったから、ひっくり返りそうになったよ」
「驚かせてしまってすみません。待ちきれなくて、早々とプロポーズしてしまいました」
ポーカーフェイスで正直に答えると、依都は照れ笑いを浮かべ、奥さんは両頬に手を当てて「きゃ~」と楽しそうな声をあげた。