ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~

 翌日、私たちの休憩時間に合わせてやってきた雫と、凛くんと一緒にまかないをいただいていた。

 久しぶりに三人でご飯を食べているのだが、私の頭の中にはずっと例の件が巡っている。

「私、子どもを作りたい」
「ぶっ」

 ポロッとこぼすと、かき揚げそばを食べていた凛くんが思わず噴き出しそうになり、むせる彼の背中を雫がトントンと叩いた。彼女は驚いているというより若干呆れ気味だ。

「依都ちゃんが私らの前でそんな宣言するとは。いや、それだけ心開いてくれてて嬉しいんだけど」
「ごめん、なんか先走りすぎた……」

 家族同然に気を許せるふたりだから、つい口が軽くなってしまう。にしても、ちょっと赤裸々すぎたよね、と苦笑いした。

 私は以前から『結婚したとしても子どもはいらない』と言っていたから、ふたりとも心境の変化に驚いているだろう。神妙な顔をしつつも、私の話をしっかり聞こうとしてくれている。

「周りが皆子どもを望んでるってこともあるんだけど、史悠さんの仲のいい家族を見て、私もやっぱりいいなって思ったのよね。彼に家族を作ってあげたい気持ちもあるし」

 挨拶をしに行って、子作りに対して前向きに考えるようになった。ただ、それはもっと子どもに対しての免疫をつけてからにしたい。

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