ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
翌週の定休日、凛くんと一緒にやってきたのは御鏡酒造の本社の近くにある集会所。二階建てのこぢんまりとした建物で、一階が簡易キッチンが備えられた子ども食堂になっている。
凛くんは時々、ここにボランティアで食事を作りに来ているのだ。子ども食堂は、片親だったり親の帰りが遅かったりと、様々な事情を抱えた子どもが誰でも利用できる。
赤ちゃんから学生まで、いろんな子どもたちと触れ合えるから、私のリハビリにももってこいだ。単純に社会貢献になるし、やって損はない。
史悠さんにもボランティアのことは伝えてあるが、彼は明日まで出張でいないのでちょうどよかった。
凛くんはここでも調理担当なので、彼が作っている間に数人のボランティアの方と一緒に食器や会場の準備をした。
子どもたちがやってくる午後四時になり、凛くんはいつもの料理人の姿で私のそばに歩み寄って声をかけてくる。
「今日はカレーだから配るのもラクだな。子どもたちに手渡しするだけでも、きっとだんだん慣れてくるよ」
「うん、頑張る」
ちょっぴり緊張しつつ答えている間にも、子どもたちがやってきた。凛くんは構わず私に話し続けているけれど、小学一年生くらいの男女がこちらに向かって走ってくる。