ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「あなたの愛情は従兄のもの以上でしょ。前から依都さんのこと可愛い可愛いって話してたものね」

 意味ありげに微笑む風柳さんに、凛くんは一瞬ぴくりと眉を動かした。

 凛くんの私に対する愛情が従兄以上のもの? 確かに彼は私を可愛がってくれているけれど、そんなわけないでしょう。

 というか、史悠さん以外にもいい人がいるなら譲れってことよね? そんなの虫がよすぎますって。

 半ば呆れ気味になってきていると、凛くんはこちらへ歩き出してふっと鼻で笑う。

「なに言ってるんですか、千笑さん。俺が好きなのは別の人ですよ」
「えっ、凛くん好きな人いたの!?」

 なにげに爆弾発言をする凛くんに、私は思わず口を挟んでしまった。風柳さんも興味津々で「えー、じゃあ誰?」と突っ込んで聞いている。

 食品庫の棚に段ボールを置いた彼は、やや目を泳がせて口を動かす。

「あれだ、ほら、あの……うるさいギャル」

 それ、絶対雫じゃない! 凛くん好きだったの? ずっと一緒にいたのに気づかなかったよ!?

 驚きで両手を口に当てて興奮する私。ふたりは息ぴったりで気が合うのは明白だし、なかなかお似合いだと思う。頑張ってほしいな。

 なんて思考が逸れていたものの、真剣な表情になる凛くんにつられて私も冷静さを取り戻していく。

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