ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「ちょっと頼まれてくんねぇ? これ、俺が作った酒なんだ。でもあんまり売れ行きがよくなくてな……。ぜひあんたの力でこいつを売ってもらいたい」
「っ、はい!?」

 予想外すぎるお願いをされ、思わず声が裏返った。私の力でってどういう意味?

 困惑しまくる私に、男性はさらに近づいてくる。思わず一歩足を引くも、強面な彼は卑しい目をして小声で囁く。

「あんな噂があるってことは、あんた相当な販路を持ってんだろ。でっかい商社の社長を手玉に取ったりしてんじゃねぇのか? 美人だし、いいモノ持ってそうだし」

 舐め回すような視線を顔から身体に向けられ、急激に嫌悪感が湧く。

 そうか、私が色仕掛けで営業していると勝手に勘違いしているのか。どうしてそんな発想になるのよ……というか、いいモノって言い方やめなさいよ!

 心の中でぎゃーと叫びつつ、表面上は無理やり笑顔を作り冷静に返答する。

「そんなことは一切しておりません。私を頼るのではなく、いろいろな酒屋さんに営業してみてはいかがですか?」
「それがダメだからこうやって頼んでるんだろうが。俺もいずれ杜氏になる身だってのにヒット商品を出せなくてさぁ、わらにも縋りたいところなんだよ」

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