ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
風柳さんとの話を切り上げ、午後はホテルへ移動して祝賀会の準備を行った。
きらびやかな会場には、立食形式の和洋折衷な料理と、コンテストで受賞した酒が用意され、徐々に集まってきた関係者は楽しそうな笑顔を見せている。
会が始まる前にも風柳さんは俺に話しかけてきたが、公の前では無下にできず、当たり障りなく接していた。その時、視界の端に依都が映り、そちらを見やるとぱっと目を逸らされた。
この間からずっとこの調子で、俺が風柳さんの件をそのままにしているのが原因だとわかっていはいるものの、ため息が出てしまう。
とりあえずひと声かけておこうと思い、上品な紺色のパンツドレス姿も綺麗な彼女のもとへ向かう。
「依都」
社員と歓談していた彼女を呼ぶと、やや表情を強張らせて「お疲れ様です」と硬い挨拶をした。
俺に注意されると思ったのか、こちらが口を開く前に一方的に話し始める。
「大丈夫、逃げませんよ。ここで変な態度を取ったら、また世間の誤解を生みそうですし。関係者の皆さんへの挨拶もちゃんとしますから」
口角を上げてはいるが無理やりなのはバレバレで、目が泳いでいる。だが、こんなよそよそしい関係は、もうすぐ終わりにしてやる。