ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「やっとわかったでしょう。楽が欲しがるものを、なんでもかんでも与えていいわけじゃないって」
黙っていた風柳さんは濡れた頬を軽く手で拭い、やや決まりが悪そうにして立ち上がる。
「……わかってたわよ、間違ってるってことくらい。でも自分では止められなかった。だから、ブレーキをかけてくれる人が必要だと思ったの。史悠を選んだ理由のひとつはそれよ」
「ご期待に添えず、申し訳ありません」
丁寧に断る史悠さんに、彼女はふっと嘲笑を漏らした。
幼い頃の自分と同じ目には遭わせないという思いがエスカレートしていたことを、風柳さんは自覚していたようだ。
誰に対してもはっきり意見を言う史悠さんなら、確かに彼女を止められただろう。認められるわけがないけれど。
波多野さんは、まだきりっとした表情を崩さずに言う。
「兄の元嫁ってのを気にして遠慮してましたけど、これからは俺がブレーキかけまくってやりますよ」
「ブレーキもかけすぎると効かなくなるのよ。気をつけてよね」
「なんで上から目線なんだ、あんたは!」
すっかりいつもの調子に戻った風柳さんに波多野さんは怒り心頭だったが、彼女は素知らぬ顔で私に向き直る。
黙っていた風柳さんは濡れた頬を軽く手で拭い、やや決まりが悪そうにして立ち上がる。
「……わかってたわよ、間違ってるってことくらい。でも自分では止められなかった。だから、ブレーキをかけてくれる人が必要だと思ったの。史悠を選んだ理由のひとつはそれよ」
「ご期待に添えず、申し訳ありません」
丁寧に断る史悠さんに、彼女はふっと嘲笑を漏らした。
幼い頃の自分と同じ目には遭わせないという思いがエスカレートしていたことを、風柳さんは自覚していたようだ。
誰に対してもはっきり意見を言う史悠さんなら、確かに彼女を止められただろう。認められるわけがないけれど。
波多野さんは、まだきりっとした表情を崩さずに言う。
「兄の元嫁ってのを気にして遠慮してましたけど、これからは俺がブレーキかけまくってやりますよ」
「ブレーキもかけすぎると効かなくなるのよ。気をつけてよね」
「なんで上から目線なんだ、あんたは!」
すっかりいつもの調子に戻った風柳さんに波多野さんは怒り心頭だったが、彼女は素知らぬ顔で私に向き直る。