ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「依都さん、迷惑をかけてごめんなさい」

 頭を下げて謝られ、心に巣食っていた不安が綺麗になくなっていく。風柳さんも、よく晴れた早朝の空のようにすっきりとした表情になっていた。

 彼女に続いて、楽くんも私を見上げて言う。

「おねーちゃん、ありがと」
「ううん。こちらこそ、ありがとう」

 膝を曲げて屈み、笑みを返した。楽くんのおかげで、私も大切なことがわかった気がするから。

 すると、楽くんはママを見上げ「パパはまたこんどちょーだい」と言う。子どもらしいトンデモ発言に、皆して笑ってしまった。

 どうやら〝今は〟パパはいらない、という心境みたいだ。いつかそうなってくれる存在が現れたら、今度こそ平和に幸せになってほしい。


 その後は問題なく進み、祝賀会は無事終了。お酒も料理もしっかり味わって、社員の方々との親睦も深められた。

 私たち夫婦の仲を心配していた、あの女性社員三人組は、史悠さんのスピーチを聞いてメロメロになっていて。『鬼蔵元があんなに甘くなるなんて……! ときめきをありがとう!』と、なぜかお礼を言われた。

 夫婦円満であるというのが皆にも伝わったようで、照れるけれどやっぱり嬉しい。

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