ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
 となると、やはり矛先は俺に向くわけで……。

「だから、まずは結婚目指して頑張って。お兄ちゃんって口悪くてスパルタだから怖がっちゃう人多いけど、妹の私から見ても顔はレベル高いと思うし」
「そうよ。ちょっと甘く微笑めばコロッと落ちる女の子がきっといっぱいいるわよ~」
「資産家の御曹司ってこともアピールするんだぞ。アコギな男だって思われない程度にな」

 いらない応援をする無邪気な妹、ほんわかしているくせに若干腹黒い発言をする母、相変わらず極道かぶれの父。三人が口々に勝手なことを言い、ツッコミが追いつかない。

 なんだか皆誤解していそうなので、とりあえず「別に彼女ができなくて苦労してるわけじゃない」と語尾に怒りマークをつけて主張しておいた。

 仕事に奔走しているうちに、恋愛の仕方も、感覚すらも忘れかけている。しかし自分の心を動かす存在に出会えた時に、それは自ずと取り戻すものなんじゃないだろうか。

 三人がやんややんやと言い合っている中、俺はぼんやりとそんな風に考えていた。


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