ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
巨大な水槽を悠々と泳ぐ魚の群れやエイを並んで眺めていた時、よそ見していた女性が依都さんにドンッとぶつかった。その瞬間、手と手が触れ合う。
すぐに「すみません!」と頭を下げて謝る女性に、笑顔を返した依都さんだったが、みるみる緊張した表情になって目線を下に向ける。俺が手を握ったからだ。
「君はよそ見するなよ」
俺を見ていてほしい──という自分勝手な思いが、そんな言葉になって口から出ていた。
彼女は俺をちらりと見上げた後、うっすら頬を染めてきゅっと手を握り返す。
「できません。たぶん」
照れた様子で答える彼女も可愛くて仕方ない。俺の真意が伝わったような気がして、胸がくすぐられた。
手を繋いだまま、時間が過ぎるのを惜しむようにさらにゆっくり歩く。
「あの魚は焼くと美味しい」などと、水族館では不謹慎かもしれない話を小声でしていると、ふいに依都さんがしいじでの一件を思い出したらしい。
「この間は凛くんが失礼なことを言ってすみませんでした」
「いや。今度は俺が〝依都〟って呼んでやるからいい」
冗談っぽく言ったが本気で思っていると、彼女はぷっと噴き出して「どうぞどうぞ」とおかしそうに返した。OKが出たので、これからは俺も呼び捨てにさせてもらうことにする。
すぐに「すみません!」と頭を下げて謝る女性に、笑顔を返した依都さんだったが、みるみる緊張した表情になって目線を下に向ける。俺が手を握ったからだ。
「君はよそ見するなよ」
俺を見ていてほしい──という自分勝手な思いが、そんな言葉になって口から出ていた。
彼女は俺をちらりと見上げた後、うっすら頬を染めてきゅっと手を握り返す。
「できません。たぶん」
照れた様子で答える彼女も可愛くて仕方ない。俺の真意が伝わったような気がして、胸がくすぐられた。
手を繋いだまま、時間が過ぎるのを惜しむようにさらにゆっくり歩く。
「あの魚は焼くと美味しい」などと、水族館では不謹慎かもしれない話を小声でしていると、ふいに依都さんがしいじでの一件を思い出したらしい。
「この間は凛くんが失礼なことを言ってすみませんでした」
「いや。今度は俺が〝依都〟って呼んでやるからいい」
冗談っぽく言ったが本気で思っていると、彼女はぷっと噴き出して「どうぞどうぞ」とおかしそうに返した。OKが出たので、これからは俺も呼び捨てにさせてもらうことにする。