ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
 花菱さんは母親が罪悪感を抱いていると話していたが、依都はそうは思っていない。こうして実際に話してみると、母親との確執をなくしてあげたほうが彼女がラクになるのではないかとますます感じる。

「相手が本当はどう考えているのかは、その人にしかわからない。いっそ会って話してみたらどうだ。お母さんと」

 しばし黙考してからそう言うと、依都は不快そうにやや眉根を寄せて拒否反応を見せる。

「会いたくなんてありません。私は絶対憎まれ口しか出てこないし、許せる気もしないから」
「それでいいじゃないか」

 俺の言葉が意外だったのか、彼女は目を見張る。

「言いたかったことや、思っていることをすべてぶつけるだけでいい。君はそれくらいつらい思いをしたんだから、遠慮はいらないだろ。親を悩ませない子供はいないしな」

 和解できるならそれが一番だが、ずっと抱えていたものを吐き出すだけでも変わるはずだ。ずっと憎しみを抱き続けるのは、誰だって苦しいのだから。

「そうしなければ、君の憎しみはこれからもずっと残り続ける。いつまでも、今みたいな顔をすることになるぞ」

 指摘すると、依都ははっとした様子で目線を上げた。

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