ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「あん時は腹が立ったけど、あんたらに言われてからいろいろ試してみたんだ。で、いい組み合わせ見つけたんだよ」
「えっ」

 それって、日本酒を造り直しているってこと? 私たちがかけた言葉が意外にも響いていたんだ……!

 ちょっぴり嬉しくなっていると、彼はいつの間にか店員さんがいるカウンターのほうへ歩いていた。すぐにこちらに戻ってきた彼の手には、なにかのお酒が入ったショットグラスが持たれている。

「これ、飲んでみてくれよ」

 意気揚々と言った彼は、あろうことかショットグラスに私たちが飲んでいた日本酒を勝手に合わせ始めた。グラス一杯になみなみと入ったそれを見て、口の端が引きつる。

「『いい組み合わせを見つけた』って、まさかこれ……?」
「そ。テキーラの日本酒割り」
「やばいカクテルじゃないですか!」

 期待したものとまったく違い、開いた口が塞がらない。せっかく見直していたのに!

「騙されたと思って飲んでみろって」と催促されるけれど、テキーラの度数は四十度くらいだったはず。これを飲んだら一気に泥酔してしまうかもしれない。

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