アンハッピー・ウエディング〜後編〜
「つまり、前向きに検討してる、と?」
「…今のところは…」
「…日本とヨーロッパで遠距離か…。遠いな…」
気軽に行き来出来る距離ではないのは、火を見るよりも明らか。
寿々花さんが修学旅行の為に、一週間イタリアに行っていただけでも、半ば魂が抜けてたのに…。
今度は、年単位で帰ってこなくなるんだろ?
帰ってくるのは多分、夏休みや春休みなどの長期休みだけで。
それ以外は、ずっと向こうで…離れ離れで…。
スマホも持ってない寿々花さんだから、メールや電話でのやり取りも覚束ない。
「何でそんなに落ち込むのか分かりませんね。死んでないなら良いじゃないですか。生きてさえいれば、いずれまた会えるんだから」
乙無は、呆れたようにそう言った。
あんたって奴は…相変わらず淡白な返事だ。
「たかが数年、会えないだけでしょう?それが何だって言うんですか」
「あんたには分からないかもしれないけどな…。俺みたいな普通の人間は、そのたかが数年が地獄なんだよ…」
「ふーん。人間って大変ですね。僕にはもう分かりませんけど」
そうかい。
で、一方の雛堂は。
「…難しいよな。引き留めたいのは山々だけど、無月院の姉さんの将来の為には、喜んで背中押してあげるべきなんだろうし」
あんたは俺の気持ち、分かってくれるようだな。
しかし。
「最悪、向こうで現地妻ならぬ、現地彼氏が出来たら目も当てられな、あっ」
…ふーん。
言って良いことと悪いことがあるって、子供の頃習わなかったようだな?
「…」
「ご、ごめん悠理兄さん!冗談だって、冗談!無言で椅子を振り上げようとすんのやめて!」
じゃあ、あんたも発言には気をつけることだな。
次は振り下ろすぞ。
…何でこんな気持ちになるのか、俺にも分からない。
寿々花さんの留学の話を聞かされたのが、去年の今頃だったなら。
きっと俺は、諸手を挙げて大喜びだったと思う。
渋る寿々花さんの背中を強引に押してでも、長期留学に送り出しただろうに。
今では、全く別のことを考えている。
…何でこんな気持ちになるのか、本当に分からない。
「…今のところは…」
「…日本とヨーロッパで遠距離か…。遠いな…」
気軽に行き来出来る距離ではないのは、火を見るよりも明らか。
寿々花さんが修学旅行の為に、一週間イタリアに行っていただけでも、半ば魂が抜けてたのに…。
今度は、年単位で帰ってこなくなるんだろ?
帰ってくるのは多分、夏休みや春休みなどの長期休みだけで。
それ以外は、ずっと向こうで…離れ離れで…。
スマホも持ってない寿々花さんだから、メールや電話でのやり取りも覚束ない。
「何でそんなに落ち込むのか分かりませんね。死んでないなら良いじゃないですか。生きてさえいれば、いずれまた会えるんだから」
乙無は、呆れたようにそう言った。
あんたって奴は…相変わらず淡白な返事だ。
「たかが数年、会えないだけでしょう?それが何だって言うんですか」
「あんたには分からないかもしれないけどな…。俺みたいな普通の人間は、そのたかが数年が地獄なんだよ…」
「ふーん。人間って大変ですね。僕にはもう分かりませんけど」
そうかい。
で、一方の雛堂は。
「…難しいよな。引き留めたいのは山々だけど、無月院の姉さんの将来の為には、喜んで背中押してあげるべきなんだろうし」
あんたは俺の気持ち、分かってくれるようだな。
しかし。
「最悪、向こうで現地妻ならぬ、現地彼氏が出来たら目も当てられな、あっ」
…ふーん。
言って良いことと悪いことがあるって、子供の頃習わなかったようだな?
「…」
「ご、ごめん悠理兄さん!冗談だって、冗談!無言で椅子を振り上げようとすんのやめて!」
じゃあ、あんたも発言には気をつけることだな。
次は振り下ろすぞ。
…何でこんな気持ちになるのか、俺にも分からない。
寿々花さんの留学の話を聞かされたのが、去年の今頃だったなら。
きっと俺は、諸手を挙げて大喜びだったと思う。
渋る寿々花さんの背中を強引に押してでも、長期留学に送り出しただろうに。
今では、全く別のことを考えている。
…何でこんな気持ちになるのか、本当に分からない。