妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「……うん、ありがと」

 本当に百瀬くんは、どこまでも優しい。

 でも、それに甘えてばかりじゃいけない気がする。

「……ねぇ百瀬くん」
「何?」
「……私、やっぱり一度家族ときちんと話をしようと思う」
「……けど、あの感じじゃ、正直まともな話し合いは望めない気がするんだよな……」
「そうかもしれないけど、このままにしておくのは駄目な気がする。これ以上百瀬くんや荒木田家に迷惑はかけたくないの。だから、お願い……」

 これだって、我儘になると思う。

 だけど、一番の当事者である私だけが守られて、周りの人に迷惑を掛けるのはやっぱり違うと思ったから、私は百瀬くんにお願いした。

 そして、彼は悩みに悩んだ末、

「それじゃあ、その話し合いには俺も同席する。場所もこっちが指定する。それでいいなら、早速亜夢の家族に宛てて手紙を出すよ」

 百瀬くんが一緒に同席するという形なら良いと言ってくれた。

「勿論、それで大丈夫。我儘言ってごめんね。こうなるなら、やっぱりきちんと話しておくべきだった。どんなに嫌でも、家族である以上逃げる事は、出来ないもんね……」
「そんな事ないよ。本当に逃げたかったらやりようはいくらでもあるけど……逃げても状況は変わらないと思う。いつも逃げ腰で自分が我慢すればいいって考えの亜夢が自ら話し合いたいって言うんだから、それは大きな進歩だよ。俺はそれを全力でサポートする」
「百瀬くん……」

 きっと彼はこうなる事も予想がついていたんだと思う。こんな面倒な事になるって分かっていても、常に私の意見を尊重してくれる優しい百瀬くん。

 そんな彼の為にも何とかして家族に今後一切関わらないでもらう事を納得させるにはどうすればいいのか、話し合いの日まで頭をフル回転させて悩ませる事になるのだけど、それ以上に困った事態へと発展していく。

 それは、ネットでのある書き込みが火種となった。

《荒木田 百瀬の婚約者、道枝 亜夢は被害妄想が激しい痛い女。付き合っていた彼を捨てて荒木田 百瀬に乗り換えて玉の輿を狙っている金の亡者。男に媚びを売るのが得意。男なら誰にでも股を開く尻軽女》

 などという事実無根な内容で、これを誰が書いたかなんて当事者からすればすぐに分かる事なのだけど、ネットというのは怖いもので真偽がどうかなんて関係ないのか、あっという間に拡散されていった。
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