妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「亜夢、あんなの気にする事ないからね」
「うん、大丈夫だよ。それよりも、会社の方に迷惑が掛かってるんじゃない?」
「まあ、多少の電話やメールは届いてるみたいだけど、会見で荒木田の方から発信する事が全てだって予め言ってあるし、擁護や応援する内容もあるって言ってるから平気だよ。とりあえずあの書き込みは削除依頼してるし、発信元の特定もしてるから」
「そっか……」

 書き込みの内容は事実無根だし、こうなる事は何となく予想していたから私自身にダメージは無い。

(でも、こんな書き込み、意味無いって分かるはずだけど……)

 それに、この書き込みは恐らく有紗の差し金だろうという事は想像がつくのだけど、すぐにバレる嘘を書き込んで一体何をしたいのか、それが見えてこない事に不安が募る。

「それよりも、話し合い、明日の夜だけど大丈夫?」
「あ、うん」
「お父さんは仕事で来ないんだっけ?」
「そうみたい。あの人は元から仕事人間で家族にそこまで興味無いから仕方ないよ。私や有紗の事は母親任せって感じだから」
「そうなんだ」

 うちの家族は年月が経つごとにバラバラになっていると思う。

 有紗が生まれるまでは私だって、両親に可愛がられていたから、二人が大好きだった。

 でも有紗が生まれ、小学校に上がる前には私よりも有紗になって、私の事はいつも後回し。

 そのうちに父は仕事仕事と帰りも遅くなり、休日も朝から出掛けてしまう。

 可愛くて愛嬌のある有紗の事が大好きな母親は、有紗がやりたいと言った習い事に付き添う日々で私の事はほったらかしだった。

「……百瀬くんのご両親を見てると、うちの両親って有り得ないなって思っちゃう……」
「……亜夢はそんな環境の中、本当によく頑張ったよね。今日の話し合いを最後に、完全に疎遠になるといいよ。もう家族の事で苦しむ必要は無い。それでさ、亜夢はもう少し時期を見てからの方が良いって言ってたけど、明日の午前中、婚姻届を出しに行こう」
「え?」
「今回の件は恐らく妹の差し金だと思うし、アイツはこの前、たかが婚約発表が何だって言った。確かに、婚約発表だけじゃ、まだ破談になるかもって期待を持つかもしれない。それならその期待を潰してやろうよ。俺たちが別れる事なんて有り得ないんだから。それで、話し合いの場で籍を入れた事を伝えて、今後亜夢に何かすればそれは『荒木田家』を敵に回すって事を改めて分からせよう」
「百瀬くん……」

 百瀬くんのその言葉には驚いたけど、私は嬉しかった。

 入籍の時期については、百瀬くんのご家族の方たちは二人が良いと思う日を選べばいいと言ってくれていて、いつにするか悩んでいた矢先、ネットでの一件もあって有耶無耶になってしまっていた。

 絶対有り得ないって分かっていても、まだ籍も入れてないし、万が一にも婚約解消なんて事になったらどうしようと、密かに不安だった。

 だから、籍を入れようと、別れる事なんて有り得ないと言ってくれて、物凄く安心出来た。
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