妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「…………」
「亜夢、大丈夫?」
「……うん、平気……だけど……」
「納得、して無さそうだったね」
「そうだね……せっかく付き合って貰ったのに、ごめんね」
「亜夢が謝る事は無いよ」
「……でも……」
「何も気にしてないよ。まあ、お母さんの方はひとまず大丈夫そうだけど、妹の方にはとにかく気を付けよう。去り際のあの表情(かお)、絶対何かしてくるつもりだろうからね……」
「そう、だよね」

 憎まれているのは分かっているから、睨まれるならあの時の感情的に納得がいくのに、あの笑いは何なのか、それが分からないから恐い。

 私が何かされる分には仕方が無いと割り切れるけれど、もしも荒木田家の人々や百瀬くんに被害が及ぶ事になったらどうしようと、それが一番不安だった。

「百瀬様、よろしいでしょうか?」

 外からノックが聞こえて来たと思ったら、百瀬くんを呼ぶ声も聞こえて来る。

「はい?」

 その声を聞いた彼がドアまで向かい開けると、外に控えていた荒木田家の使用人の一人が何やら百瀬くんに耳打ちをする。

 そして、

「亜夢、一旦荒木田家に行こう。例の書き込みをした人間を特定したらしいから」

 百瀬くんのその言葉を聞いた私は息を呑んだ後で『分かった』と頷いた。


 それから三十分程で荒木田家を到着した私たちは広間へと通されると、そこには義父(おとうさん)義祖父(おじいさん)の二人が待っていた。

「話し合いはスムーズにいったのか?」
「いや、母親の方はすぐに感情的になって聞く耳を持たない感じだし、妹の方は途中から心ここに在らずで話を聞いてない感じだった」
「そうか……」
「すみません、わざわざ場所を用意してくださったりと手間を掛けて貰ったのに……」
「亜夢さんが謝る事はないよ。まあ、家族の事となるとやはり一度の話し合いで関係性を精算出来るものはないだろうからねぇ」
「……すみません」
「それで、例の書き込みの犯人は?」

 話し合いの件は一旦終わりにしようと百瀬くんが横から割り込んで来て例の書き込みの犯人について二人に質問をすると、

「書き込みをしていたのは十代の男で、本人に確認したところネットで頼まれて、指定された場所にお金が置かれていたからそれを受け取った後で指示に従っただけだと言っているんだよ」

 やっぱり書き込みをしたのは有紗では無かったようで、十代の全く知らない男の子だった。

「頼まれたって、誰に?」
「匿名でのやり取りだったから知らないの一点張りでな」
「そう……」

 そして、それを指示した人物とのやり取りの履歴などは全て消去され、その端末自体も処分されてしまったとの事。

 だけど私は、その指示した人が有紗なのでは無いかと思っていて、百瀬くんも同じ事を考えていたみたいだった。
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