妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
 分かってる。

 もう、私一人で何とか出来ない事くらい。

 だから、勿論一人で無茶をするつもりは無い。

 無いけれど、有紗は多分、私が一人になる隙をついて接触してきそうな気がする。

 百瀬くんが居ると私に何も言えないし、そもそも二人一緒に居るところを見るのも嫌だろうから。

 だけど、百瀬くんは私が極力一人にならないような状況を準備してくれると思うから、そんな彼の為にも私は常に警戒しながら生活するしか無い。

「……約束、する」
「本当に?」
「うん」
「絶対、だからね?」
「うん、絶対に、一人で何とかしようとは思わないよ」
「その言葉、信じてるから」

 抱き締め返しながら『約束』をした私の言葉を信じると言ってくれた百瀬くん。

 このまま何事も無く有紗が諦めてくれればという微かな望みを胸に抱きつつ、この日は抱き締め合い、互いの温もりや鼓動を感じながら眠りについた。


 それから、私たちの入籍のニュースを流してもらった事や、書き込みの犯人が特定されて無事に削除された事などが公になって私への誹謗中傷の書き込みなどはあまり目にしなくなっていった。

 あれ以降母から荒木田家の方へ手紙や電話があったみたいだけど、私に連絡を取る意思が無い事を伝えて貰って暫く、もう無理だと諦めたのか、ここ最近は何もアクションが無くなったという。

 ただ、有紗はあの日からずっと自宅アパートに引き篭ったままで外に一歩も出ていないという報告を受けていて、それが少し不気味に感じていた。

 そして、話し合いからひと月半が過ぎたある日の事、

「亜夢、さっき実家から連絡があったんだけど、亜夢の妹が……意識不明の状態で病院に運ばれたって」
「え? 有紗が?」
「ああ。母親がアパートを訪ねたらアルコールに加えて睡眠薬を多量に摂取した状態で倒れてたらしい……」
「それで、容態は?」
「とりあえず発見が早かった事で一命は取り留めたみたい」
「そう……」

 まさかの事態に私や百瀬くんは複雑な心境に陥った。

「有紗は、自ら命を絶つつもり、だったの?」
「それはどうだか……暫く引き篭もりだったみたいだから精神的にもおかしかったんだろうし、ヤケになっての行動かもしれない……」
「…………」

 何かされる事は想定していたけれど、有紗が病院に運ばれるような事態になるなんて予想外で、私が彼女をそこまで追い詰めてしまったのかと思ったら罪悪感で胸が苦しくなった。
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