妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「私は貴方を許さない、さっき百瀬くんに怪我を負わせた事も、これまでされて来た事も全て」
「…………」
「貴方がどうしてそこまで私を嫌うのかは分からないし、別に知りたいとも思わないけど、私の幸せがこの世で一番憎い、見たくないと言うなら、私は誰よりも幸せになる。貴方が私に関わりたくないって思うくらいに、幸せになってみせる」
「…………」
「貴方もいい加減私に固執しないで、自分の幸せを見つけなさい。人の幸せを羨んでも、人の不幸を喜んでも、心は、満たされないでしょ? 虚しいだけでしょ?」
「…………」
「もう、こんな馬鹿な事は止めて、これからは自分が幸せになる事を一番に考えなさい。今ならまだ、やり直せるから」
「…………っ」

 私の言葉に、有紗は何も言い返しては来なかった。

 俯いていたから表情は分からなかったけれど、微かに身体を震わせていたから、きっと、泣いていたんだと思う。

 私の想いが届いたかは分からないけど、ほんの少しでもいいから、有紗の心に響いていればいいなと思った。

 騒ぎを知ったお義父さんが警察を呼んだ事で、有紗はそのまま警察署へと連行される事に。

 そして、騒ぎを起こす直前に荒木田家の周りに姿を見せた不審者というのは有紗に協力をしていた金森さんで、彼もまた有紗同様警察署へと連れて行かれる事になった。

 パーティーの参加者たちには不審者が現れたとだけ説明をしてそのままお開きとなり、私は傷の手当を受ける百瀬くんに付き添って病院へ向い、事情聴取は後日という事で治療を終えた彼とそのまま自宅マンションへ帰宅した。

「百瀬くん、痛くない?」
「もう平気だって、血も止まってるし、傷も深くないしさ」
「でも……」
「心配しないで、本当に大丈夫だから。それより亜夢、今日は疲れたでしょ? 先シャワー浴びて来なよ。ね?」
「……うん」

 彼の心配をするけど大丈夫だと言われ、そんな彼に促される形で先にシャワーを浴びる事にしたのだけど、

「百瀬くん、その腕じゃシャワーを浴びるのは無理なんじゃ……」

 百瀬くんがシャワーを浴びるには介助が必要なのではないかと思い問い掛けると、

「確かに……腕にはビニールでも巻くとして濡れはしないけど……片手じゃ不便かも……亜夢が手伝ってくれる?」

 何だか少し意地の悪い笑みを浮かべながらからかうような口振りで問い返して来た。
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