妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「あ、う、うん……分かった」

 私は言われた通り再び彼の背後に周りシャワーを手にすると、お湯で身体を洗い流していく。

 何だか気まずい雰囲気になってしまいお互い無言になる。

 そしてボディーソープを全て洗い流し終えると、

「俺、先に出てるから。亜夢はゆっくり入ってて」

 それだけ言って百瀬くんは早々に浴室から出て行ってしまう。

「……恥ずかしかった……」

 一人になり、自分の身体を洗う為にもう一度シャワーのお湯を流し始めた私は、小さな声でそう呟いていた。


 それから暫くしてお風呂から上がって髪を乾かし、スキンケアを終えた私がリビングに戻ると百瀬くんの姿が見当たらず、寝室の方を覗いてみると、ベッドの上に横になっている。

「百瀬くん? もう、寝ちゃったの?」

 そう控えめに声を掛けながら彼に近付いていくと、

「起きてるよ。亜夢、早くこっちに来て」

 顔をこちらに向けて「起きてる」と答えた百瀬くんは自身の横に来るよう手招きをする。

 そんな彼の表情は照れてるような、少し不貞腐れているような、何とも表現しがたい複雑なもので、

「う、うん、分かった」

 一先ず言われた通り彼の横に腰を下ろすと、

「そうじゃなくて、横になってよ」

 横になるように言われたので、百瀬くんの腕を枕にする形で横になると、私の身体をギュッと抱き締めながら、「さっきはさっさと出て来ちゃってごめん」と申し訳なさそうに謝ってきた。

「あ、ううん、全然、気にしてないよ?」

 そう答えながらも、本当は少し、ほんの少しだけ淋しかった自分が居た。

「……あれ以上あの場に居たら、本当にやばかったんだ。亜夢が、急に積極的になるから……」
「そ、そんな事……」
「……正直、あのまま亜夢を抱きたかった。けど、腕にビニール巻いてたから色々と不便だったし……出来ないままってのも辛くて……。腕が治ったら、また一緒に入ってくれる?」

 拗ねたような表情を浮かべた百瀬くんがそう問い掛けてきたので私は、

「……う、うん……いいよ。その時は……一人で先に、出ないでね?」

 遠回しに、さっきは一人残されて淋しかった事を伝えていた。
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