狼上司と秘密の関係
それを見た千明は可愛いなと感じた。
上司だし、3歳も年上だけれど気さくな性格をしているせいか大和と一緒にいても緊張することがない。

それでもこの体験施設の責任者であり、公園内では幹部クラスに当たる。
ただの平社員の千明とは立場が大きく異なった。


「なにをしてたんですか?」


コンビニのお弁当を取り出しながら晋也が聞いた。


「来月のシフト作り」

「そういうの、最近ではアプリでやるもんじゃないんですか?」


そう言ったのは梨江だ。
梨江はダイエットとかでお昼は栄養ドリンクやサプリメントだけを摂取している。


「そうなんだけど、ほら、うちはそういうの許可とるのが難しいから」


大和が指先で眉間をもみほぐしながら愚痴る。
幹部クラスよりも更に上の人たちが昔のやり方を押し通しているところがあると聞いたことがある。
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