狼上司と秘密の関係
千明たちには直接関係ないと思っていたけれど、こういう細かなところで影響は出ているようだ。


「そんなのこっそり使っちゃえばいいじゃないですか。菊池さんはちょっと真面目すぎなんですよ」


晋也が早くもお弁当の半分を食べ終えて言う。
千明はやっと自作のお弁当がレンジで温まったところだった。


「そう言ってもなぁ。後からバレたら面倒くさいしなぁ」

「ちょっとまっててください」


晋也はそう言うと自分のスマホを突き始めた。
すぐになにかをダウンロードしたようで、スマホ片手に大和へ近づいていく。


「みんなの休暇希望を教えてください」

「これだけど」


大和が差し出した紙を見ながらなにかを打ち込んでいく。
そして「はいできた! これをパソコンに入力していけばいいわけですよね?」と、したり顔だ。

「もうできたのか!?」

大和は目を丸くしている。
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