狼上司と秘密の関係
上司から言われたことを忠実に行っているのは見習いたいところだけれど、ちょっと融通がきかない部分もある。
そういうところも可愛いなと千明は感じていた。


「これからシフト作りのときは石川に言うことにするな」

「自分でダウンロードしてくださいよ!」

「やだよぉ! 社長とかにバレたときめんどくさいじゃんか!」

「なに子供みたいなこと言ってんっすか!」


ふたりできゃいきゃい騒いでいる様子はまるで男子高校生だ。
千明と梨江は目を見合わせて同時に吹き出した。


「午後からの予約は?」


お弁当を食べ終えて熱いお茶を飲んでいた時、ふと思い出したように梨江が聞いてきた。
千明は《本日の予約》と書かれた紙を確認する。

アイス作り体験は1日4回。
午前2回、午後2回ある。

それ以外の時間に体験施設の掃除や、翌日の準備を行うのだ。


「午後からは幼稚園生15人と、ひと家族だけ」

「まぁた小さい子かぁ」
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