愛しい吐息 ~凛々しい婚約者は彼女を溺甘で支配的な愛にとろけさせる~
雅が入ってしばらくしてから、花純は声をかけた。
「私も入っていい?」
いいよ、と雅は答えた。
服を脱いですぐに入る。
「私が洗ってやろうか」
「嫌。絶対に変なことする」
速攻で断った。
「ちょっと気持ちよくしてあげるだけだ」
「そういうの!」
怒ると、雅はくすくす笑った。
花純が体を洗ってから浴槽に入ると、ピンクの花びらが揺れた。雅は場所をずれて花純を後ろから抱きかかえた。雅のほのかな胸のふくらみが花純の背に当たる。
「何かあったのか?」
雅に聞かれ、花純は戸惑う。
「何もないよ」
「嘘が下手だな」
雅は花純の首筋を舐める。花純の口から艶めかしい声がもれた。
「急に苦手な料理をしたり、興味のなかったセクシー下着を買おうとしたり、自分からお風呂に入って来たり。何かあるってバレバレだ」
ああ、と花純は内心でため息をつく。なんでこんなにわかってしまうのだろう。
紫苑が来たことを告げるか、悩む。彼の再度の宣戦布告。勝ち目なんて感じられない。
彼は御曹司。上流階級の振る舞いをすでに身に付け、立ち居振る舞いが美しい。モデルとしても活躍している。
それに比べ、ただのカフェバイトの自分。
大手の建設会社を経営している彼女の両親は、結婚に反対こそしなかったが賛成した様子もなかった。
もし紫苑が彼女と結婚するとなったら、雅の両親は喜ぶだろう。花純なんて雑草のごとき扱いになるかもしれない。
「あなたの愛にあぐらをかいちゃいけないって思って」