愛しい吐息 ~凛々しい婚約者は彼女を溺甘で支配的な愛にとろけさせる~
「あんたに人生を壊された人だっているはずだわ。不幸の根源」
花純は何も言い返せない。
人生を壊された人、と言われて雅が頭に浮かんだ。
突然のヒートに引き寄せられ、婚約までしてしまった雅。
「あんただって人生を壊されるといいんだわ」
言い残して、圭梛は部屋を出て行く。
仲良くしていたのに、あんなに憎まれていたなんて。
言われたことがすべてショックで、雅はへなへなと座り込んだ。
「汚いなあ。そんなところに」
嘲笑を含んだ声が飛んでくる。
のろのろと顔を上げると、紫苑のにやにや顔が目に入った。
「椅子に座りなよ。飲み物はジュースでいいかな」
紫苑がリモコンで飲み物を注文する。ウーロン茶とオレンジジュース。
ダメだ、と重い頭で花純は思う。
この人と二人でいたらダメだ。いいように振り回されるだけだ。
花純は力を振り絞って立ち上がると、部屋を出ようとした。
紫苑は素早くまわりこみ、扉にかけた手を止める。
「雅のことで、大事な話があるんだ」
「私はないわ」
戻らなくては、と花純は思う。
戻って、雅の人生を壊したことを謝罪して、それから……。
「話をしてからでいいじゃん」
紫苑は花純の手を引っ張った。
見かけによらず強い力だった。
投げ捨てられるように椅子に座らされた。
飲み物はすぐに届いた。
店員が出て行くと、紫苑はウーロン茶を一口飲んだ。顔をしかめてすぐにコップをテーブルに戻す。
「君も飲みなよ。変なもの入ってないよ。ウーロン茶はまずいけど。見たでしょ、店員がテーブルに置いてから、僕は一度もそれに触ってない」
花純はおそるおそるストローをさし、ジュースを一口飲んだ。
飲むと同時に、渇きに気付いた。走ったあとだったからか、そのままごくごくと飲んだ。
紫苑がニヤリと笑う。
花純は何も言い返せない。
人生を壊された人、と言われて雅が頭に浮かんだ。
突然のヒートに引き寄せられ、婚約までしてしまった雅。
「あんただって人生を壊されるといいんだわ」
言い残して、圭梛は部屋を出て行く。
仲良くしていたのに、あんなに憎まれていたなんて。
言われたことがすべてショックで、雅はへなへなと座り込んだ。
「汚いなあ。そんなところに」
嘲笑を含んだ声が飛んでくる。
のろのろと顔を上げると、紫苑のにやにや顔が目に入った。
「椅子に座りなよ。飲み物はジュースでいいかな」
紫苑がリモコンで飲み物を注文する。ウーロン茶とオレンジジュース。
ダメだ、と重い頭で花純は思う。
この人と二人でいたらダメだ。いいように振り回されるだけだ。
花純は力を振り絞って立ち上がると、部屋を出ようとした。
紫苑は素早くまわりこみ、扉にかけた手を止める。
「雅のことで、大事な話があるんだ」
「私はないわ」
戻らなくては、と花純は思う。
戻って、雅の人生を壊したことを謝罪して、それから……。
「話をしてからでいいじゃん」
紫苑は花純の手を引っ張った。
見かけによらず強い力だった。
投げ捨てられるように椅子に座らされた。
飲み物はすぐに届いた。
店員が出て行くと、紫苑はウーロン茶を一口飲んだ。顔をしかめてすぐにコップをテーブルに戻す。
「君も飲みなよ。変なもの入ってないよ。ウーロン茶はまずいけど。見たでしょ、店員がテーブルに置いてから、僕は一度もそれに触ってない」
花純はおそるおそるストローをさし、ジュースを一口飲んだ。
飲むと同時に、渇きに気付いた。走ったあとだったからか、そのままごくごくと飲んだ。
紫苑がニヤリと笑う。