愛しい吐息 ~凛々しい婚約者は彼女を溺甘で支配的な愛にとろけさせる~
「うわ!」
「なんだよ!」
 男たちが驚いてよける。
 割れた部分から手がにゅっと伸び、ドアのカギを解錠する。
 開けられたドアから入って来たのは、雅だった。
「雅……」
 助けに来てくれた。
 花純の目に涙があふれる。
 私を見つけてくれた。
「お前たち」
 雅の目は怒りに燃えていた。
「絶対に許さない」
「許さない、だってさ」
 男の一人が笑う。
「どうせならこいつもやっちまおうぜ」
「動画を撮ればこっちのもんだ」
「撮れよ」
 雅は不敵に笑う。
「お前たちの惨めな姿を、さ」
 言いざま、一番手前にいた男の腹を殴る。
 とびかかって来た男を投げ飛ばし、手近な男の股間を蹴り上げる。
「ヤることしか頭にないのか、クソど低能が」
 蹴られた男はうずくまった。
 撮影していた二人はすぐさま逃げ出した。
「弱いな」
残りの二人は反撃の隙をうかがってじりじりと距離をとる。
「そんなだから事業もうまくいかないんだよ」
 雅は襟元に手をやってネクタイを少し緩めた。
「社長」
 ドアから40すぎの男性が入って来た。雅の秘書だ。
「防犯カメラの映像はおさえました。いつでも警察を呼べます」
 警察の単語に、男たちは素早く反応した。
 雅のことも花純のことも捨て置いて、我先にと逃げ出す。
 金的を蹴られた男も股間を抑えてガニ股で出て行った。
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